2026年10月09日

「大腸カメラは受けたいけれど、前回の下剤がつらくてためらっている」
「検査よりも、下剤を飲むことの方が大変だった」
このような方は少なくありません。
大腸カメラでは、ポリープや大腸がんなどをしっかり観察するために、検査前に腸の中をきれいにする必要があります。しかし、腸をきれいにすることと同時に、患者さんができるだけ無理なく前処置を行えることも大切です。
大阪市平野区の東森医院では、前回の大腸カメラで下剤がつらかった方には、「何がつらかったのか」を確認し、その方に合わせた腸管前処置を検討しています。
大腸カメラの下剤がつらい理由は人によって違います
「下剤がつらかった」といっても、その原因はさまざまです。
原因が違えば、次回の対策も変わります。
そのため東森医院では、「大腸カメラの下剤は全員同じ」ではなく、患者さん一人ひとりに合った方法を考えることを大切にしています。
前日の下剤で腹痛や夜間の排便がつらかった方へ
大腸カメラの前日には、腸管洗浄を補助する目的で刺激性下剤を使用することがあります。
代表的な薬の一つが、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン®)です。
普段の便秘治療にも使われる薬ですが、通常の便秘症では成人1日10~15滴程度であるのに対し、大腸検査の前処置では20mLという、より多い量を使用することがあります。
洗浄効果が期待できる一方で、人によっては腹痛が強くなったり、夜間に何度もトイレに行ったりすることがあります。また頻度は高くありませんが、大腸検査前処置として使用した場合には、虚血性大腸炎などの副作用にも注意が必要です。
もちろん、便秘が強い方や過去の大腸カメラで便が残ってしまった方などでは、しっかりとした前処置が必要です。
大切なのは、すべての方に同じ強さの下剤を使用するのではなく、普段の便通や過去の大腸カメラの経験に合わせて調整することだと考えています。
東森医院では前日の下剤も調整しています
東森医院では、普段の排便が比較的良好な方などでは、原則として前日に多量のピコスルファートナトリウムを使用せず、必要に応じてセンノシドを通常の便秘症で使用する範囲の量で服用していただく方法を取り入れています。
一方で、便秘が強い方などには、よりしっかりとした前処置をご提案する場合もあります。
目指しているのは、単純に「下剤を少なくする」ことではありません。
腸を十分きれいにする「洗浄効果」と、患者さんができるだけ無理なく前処置を行える「忍容性」。その両方のバランスを取ることが重要です。
当日の下剤も「量・味・飲み方」から考えます
大腸カメラ当日に飲む腸管洗浄剤にも、さまざまな種類があります。
「2L近く飲むのが大変だった」という方もいれば、「量より味が苦手だった」という方もいます。また、短時間で飲むことがつらかったり、途中で吐き気が出てしまったりする方もいらっしゃいます。
東森医院では、量や味、飲み方の異なる複数の腸管洗浄方法を準備しています。
前回の下剤がつらかった場合には、
「量が多かった」
「味が苦手だった」
「吐き気がした」
「腹痛が強かった」
「夜眠れなかった」
など、どの部分が大変だったのかをぜひお聞かせください。
その経験が、次回の大腸カメラの下剤を調整するための大切な情報になります。
「下剤がつらいから」と大腸カメラを諦めないために
大腸カメラでは、小さなポリープや病変を見つけるためにも、腸を十分きれいにしておくことが重要です。
一方で、ポリープ切除後などでは、その後も定期的な大腸カメラが必要になることがあります。前処置があまりにつらく、「もう大腸カメラを受けたくない」となってしまわないためにも、検査前の負担にも目を向けることが大切です。
「前回の大腸カメラで下剤がつらかった」
「下剤が飲めるか心配で、大腸カメラをためらっている」
そんな方も、一度ご相談ください。
東森医院では、一人ひとりの普段の排便状況や、これまでの下剤の経験を確認しながら、腸管洗浄効果と忍容性のバランスを考えた大腸カメラの前処置を心がけています。
参考文献
監修
東森医院 院長 東森 啓(ひがしもり あきら)
医学博士
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本カプセル内視鏡学会 認定医
日本消化管学会 専門医
日本医師会認定産業医
難病指定医
2008年 山口大学医学部卒業。2016年 大阪市立大学大学院医学研究科博士課程修了。大阪公立大学医学部病院講師、香港中文大学 Prince of Wales Hospital 客員研究員、なにわ生野病院消化器内科副部長などを経て、現在、東森医院院長。
大学病院・地域中核病院・海外の医療機関で、消化器疾患および胃・大腸内視鏡診療に従事してきました。
特に大腸カメラの腸管前処置について、低容量の腸管洗浄剤や補助下剤を用いた洗浄効果・忍容性に関するランダム化比較試験、多施設共同研究に取り組み、国内外の医学雑誌に論文を発表しています。
現在は大阪市平野区の東森医院にて、一般内科・消化器内科診療に加え、胃カメラ・大腸カメラ、日帰り大腸ポリープ切除などの内視鏡診療を行っています。
ひらの色。
ひとにやさしく。
らくに受けられる。
のぞむ明日を、もっと近くに。
大腸カメラは、検査だけが大切なのではありません。
東森医院では、検査前の下剤を含めて、一人ひとりに合った、できるだけ負担の少ない大腸カメラを目指しています。