下痢が続く
下痢が続く

次のような症状がある場合は、自己判断で様子を見ず、早めにご相談ください。
「薬を増やした後から下痢が続く」「市販薬・サプリを始めてから便がゆるい」
このような場合は、薬剤性下痢が原因のことがあります。下痢は腸の病気だけでなく、薬の影響(腸の動き・水分分泌・腸内細菌叢の変化など)で起こることがあり、原因薬を見直すだけで改善するケースも少なくありません。
慢性の水様便の原因として、近年注目されている腸炎です。大腸カメラで見た目がほぼ正常でも、顕微鏡(病理)では炎症所見が認められるタイプで、胃薬(PPI)や痛み止め(NSAIDs)などの薬剤が関与することがあります。大腸内視鏡で粘膜の組織(生検)を採取しないと診断できないことが多く、丁寧な薬剤歴の聴取と、本疾患を念頭に置いて評価する姿勢が重要になります。
降圧剤の一部は、まれにスプルー様腸炎と呼ばれるひどい腸炎を起こし、原因不明の慢性下痢や体重減少の原因となります。内服開始から数年経ってから発症することが多く、原因薬剤として見逃されがちです。診断には薬剤歴の確認と、必要に応じて内視鏡・生検を行い、中止(他剤へ変更)で改善するかを見ます。院長は本疾患に関連する症例を世界的に有名な医学誌であるThe Lancet(*)に報告しています。
(*)Lancet. 2024 Oct 12;404(10461):1444. doi: 10.1016/S0140-6736(24)02129-9.


※自己判断で薬を中止すると別の病気が悪化することがあるため、変更は必ず医師にご相談ください。
急性胃腸炎のあとに腸が過敏になり、しばらく下痢が続くことがあります(感染後の影響)。一方で、感染が持続している場合や、感染をきっかけに別の病態が顕在化することもあるため、生活歴を含めて丁寧に確認します。
症状や背景によっては、便検査(便培養、抗原検査など)を組み合わせて原因を探します。
※強い腹痛・発熱・血便・脱水がある場合は早めに受診してください。
水様性で血が混じらない下痢が続くのに、内視鏡で目立つ炎症が見えないことがあります。その代表が顕微鏡的大腸炎です。
この病気の最大の特徴は、大腸カメラで見た目が正常に見えても、組織(生検)を採って顕微鏡で確認しないと診断できないことです。
また、Topic1で述べたように、胃薬(PPI)や痛み止め(NSAIDs)などが背景に関与することがあり、慢性下痢の鑑別として重要です。
また、近年腸管スピロヘータ症による下痢も注目されています。スピロヘータとは、主に便口感染(衛生環境、性的接触、動物・水環境など)により感染するコルクのようならせん形をした細菌の仲間の総称です。腸に“定着”して症状が出ないこともありますが、慢性下痢の原因になることもあります。下痢や腹部の違和感、ガスが増えるなどが主な症状であり、「原因不明の慢性下痢」として紛れやすいのが特徴です。大腸カメラで見た目が正常に見えることも多く、便検査だけでは確定できないため、診断には大腸粘膜の生検(組織検査)が重要です。また病理医にも注意してみてもらわないと分からないことがあり、病理医との適切な連携も重要になってきます。確定すれば、状況に応じて抗菌薬(メトロニダゾール®など)で改善が期待されます。
胆汁酸の調整がうまくいかず、特に食後に急に便意が来て水様便が続くタイプです。胆のう摘出後に起こることもあります。
下痢止めが効きにくいこともあるため、症状のパターンから疑い、必要に応じて治療を検討します。
腸で栄養がうまく吸収できない状態では、下痢が続くことがあります。
腹痛や下痢が続き、血液検査でアレルギー所見を伴うことがあります。こちらも確定には内視鏡・生検が参考になります。
脂っぽい便、体重減少、栄養不良、貧血がある場合は、血液検査や追加評価を行います。
腸以外の病気が背景にあることもあります。
必要に応じて血液検査で確認します。
ご高齢の方で、硬い便が直腸に詰まり、その周囲から水様便が漏れるように出ることがあります。下痢止めで悪化することもあるため、腹部所見や必要に応じた画像評価で見極めます。
※便秘が背景にある場合は便秘・下痢外来へ。
下痢が続く・便秘と下痢を繰り返す・便が細い・血便・貧血などがある場合は、大腸内視鏡検査での評価が重要です。
※大腸内視鏡検査(大腸カメラ)へ。
慢性下痢では、まず
を整理し、必要な検査(血液検査・便検査・大腸内視鏡など)をご提案します。
治療の詳細(生活指導、整腸薬、止痢薬の使い分け等)は 便秘・下痢(便通異常)外来にまとめていますので、あわせてご覧ください(内部リンク)。
4週間以上続く下痢は、原因の整理が大切です
下痢が続くと「体質かな」「ストレスかな」で済ませたくなりますが、慢性下痢には見逃すと治療が遅れる原因が含まれます。
気になる症状が続く方、血便や体重減少がある方、薬を飲み始めてから悪化した方は、お早めにご相談ください。
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