親や兄弟に大腸がんがいる場合、大腸カメラはいつから?|大阪市平野駅の胃カメラ検査・大腸カメラ検査|東森医院

〒547-0044 大阪府大阪市平野区平野本町3-5-2

06-6791-0067

24時間いつでも受付WEB予約 LINE予約はこちら
お問い合わせ Instagram
下層メインビジュアル

親や兄弟に大腸がんがいる場合、大腸カメラはいつから?

親や兄弟に大腸がんがいる場合、大腸カメラはいつから?|大阪市平野駅の胃カメラ検査・大腸カメラ検査|東森医院

2026年9月09日

親や兄弟に大腸がんがいる場合、大腸カメラはいつから?

日本の基準と家族歴がある方の大腸がんリスクを消化器内科医が解説

「父が大腸がんになったのですが、自分も大腸カメラを受けた方がいいですか?」

「兄が40代で大腸がんになりました。私は何歳から検査を受ければいいでしょうか?」

「家族に大腸ポリープがあった場合も、早めに大腸カメラを受けた方がいいですか?」

診療をしていると、このようなご相談をよくいただきます。

大腸がんには、年齢や生活習慣などさまざまな要因が関係しますが、「家族歴」も重要なリスクのひとつです。

特に父・母、兄弟姉妹、子どもに大腸がんがある場合には、ご自身も大腸がんや大腸ポリープが見つかる可能性が高くなることが分かっています。

では、親や兄弟に大腸がんがいる場合、大腸カメラは何歳から受ければよいのでしょうか。

まずは、日本ではどのような基準になっているのかから説明します。

1.日本では何歳から?まず知っておきたい大腸がん検診の基準

日本では、症状のない一般の方を対象とした大腸がん検診として、40歳から便潜血検査を受けることが推奨されています。

国立がん研究センターの「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」でも、便潜血検査について40歳からの開始が推奨されています。

一方、日本では現在のところ、「父親や兄弟に大腸がんがいる場合は、○歳から大腸カメラを受ける」といった、家族歴だけをもとにした全国一律の明確な開始年齢は定められていません。

日本消化器内視鏡学会では、大腸がんの家族歴を大腸がんの重要な危険因子のひとつとして挙げていますが、一般的な家族歴について「40歳から」「家族の発症年齢の10年前から」といった具体的な国内基準までは示されていません。

なお、日本の2024年度版大腸がん検診ガイドラインでは、全大腸内視鏡検査をすべての健康な方に行う対策型検診としては推奨しておらず、利益と不利益を理解したうえで任意型検診として行うことは可能、としています。便潜血陽性の精密検査や、症状がある方に対する大腸カメラの重要性が変わるわけではありません。

つまり、日本では「40歳から便潜血検査」が基本です。

ただし、家族歴がある方は一般の方より大腸がんリスクが高いため、大腸カメラをいつから受けるかについては、家族が何歳で大腸がんになったのかなどを踏まえて個別に考えることが大切です。

そこで参考になるのが、海外のガイドラインです。

2.海外では「40歳、または家族の診断年齢より10歳前」がひとつの目安です

米国消化器病学会(ACG)では、父・母、兄弟姉妹、子どもなどの一等親血縁者に大腸がんやリスクの高い大腸ポリープがある場合、一般の方より早い時期から大腸がんスクリーニングを始めることを推奨しています。

分かりやすい目安が、「40歳」または「家族が診断された年齢より10歳若い年齢」のうち早い方です。

例えば、父親が55歳で大腸がんになった場合、その10年前は45歳ですが、40歳の方が早いため、40歳頃から大腸カメラについて考えます。

一方、兄が45歳で大腸がんになった場合には、その10年前である35歳頃から大腸カメラを考える、ということになります。

特に、60歳未満で大腸がんになった一等親血縁者がいる場合や、大腸がん・advanced polypのある一等親血縁者が2人以上いる場合には、ACGでは大腸カメラによる検査をより積極的に行う考え方が示されています。

日本の全国一律の基準ではありませんが、「40歳、または家族が大腸がんになった年齢より10歳前」という考え方は、家族歴のある方が大腸カメラについて相談する際の分かりやすい目安になります。

なお、血便、便が細くなった、便秘や下痢が続く、原因不明の貧血などの症状がある場合には、この年齢まで待つ必要はありません。年齢にかかわらず医療機関への受診が必要です。

3.親や兄弟に大腸がんがあると、どのくらいリスクが上がる?

近年の研究でも、大腸がんの家族歴と大腸ポリープのリスクとの関連が改めて確認されています。

2025年にAmerican Journal of Gastroenterologyに発表された、75研究、約93万人を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析では、一等親血縁者に大腸がんがある人は、家族歴がない人と比較して、大腸腺腫が見つかる可能性が約1.7倍でした。

将来の大腸がんとの関連がより強いadvanced adenomaについても約1.7倍で、一等親血縁者に大腸がんの方が2人以上いる場合には、advanced adenomaのリスクは約2.4倍に上昇していました。

もちろん、「父親が大腸がんだったから、自分も大腸がんになる」という意味ではありません。

家族歴は、あくまでリスクを高める要因のひとつです。

重要なのは、必要以上に心配することではなく、「自分は一般の方より少し大腸がんのリスクが高い」と知り、適切な時期に検査を受けることです。

また、「家族が何歳で大腸がんになったのか」も重要です。

父親が80歳で初めて大腸がんになった場合と、兄が42歳で大腸がんになった場合では、家族歴の意味合いは同じではありません。

若い年齢で大腸がんになった家族がいる場合や、大腸がんの方が家族内に複数いる場合には、より注意が必要です。

4.大腸がんだけではありません。家族に大きなポリープがある場合も注意

もうひとつ知っていただきたいのが、「家族に大腸がんはいないけれど、大きな大腸ポリープを取った人がいる」という場合です。

Advanced adenomaとは、一般的には1cm以上の大きな腺腫や、高度異型など、大腸がんとの関連がより強い特徴を持つポリープです。

香港中文大学(CUHK)のSiew C. Ng先生、Francis K.L. Chan先生らが2016年に報告した研究では、advanced adenomaが見つかった人の兄弟に大腸カメラを行ったところ、advanced adenomaが11.5%に見つかりました。

大腸カメラが正常だった人の兄弟では2.5%であり、約6倍の差が認められました。

また、大腸がん患者さんの兄弟でも、進行した大腸腫瘍が見つかる割合が高いことが報告されています。

つまり、家族歴を考えるときには、「家族に大腸がんの人がいるか」だけではなく、「家族に1cmを超えるような大きな大腸ポリープがあったか」も大切な情報です。

家族に「大腸ポリープを取った人がいる」という場合には、可能であれば、何歳で見つかったのか、ポリープがどのくらいの大きさだったのかを確認しておくとよいでしょう。

また、50歳未満で大腸がんになった家族がいる、親と兄弟など複数の近い家族に大腸がんがある、世代をまたいで大腸がんが多い、といった場合には、リンチ症候群など遺伝性大腸がんの可能性を考えることもあります。

日本でも、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの遺伝性大腸がんについては、一般的な家族歴とは別に専門的な管理指針が定められています。

5.家族に大腸がん・大きなポリープがある方は、一度ご相談ください

親や兄弟に大腸がんがいるからといって、必ずご自身も大腸がんになるわけではありません。

しかし、家族歴がない方と比較すると、大腸がんや大腸ポリープが見つかる可能性は高くなります。

日本では、一般の方については40歳からの便潜血検査が基本です。一方、家族歴がある方の大腸カメラ開始年齢について、全国一律の明確な国内基準はありません。

そのため、父・母、兄弟姉妹、子どもに大腸がんやadvanced adenomaがある場合には、海外のガイドラインも参考に、「40歳、または家族が診断された年齢より10歳若い時期のうち、早い方」をひとつの目安として、大腸カメラについて消化器内科へ相談するとよいでしょう。

もちろん、家族歴だけで検査時期が決まるわけではありません。

これまで大腸カメラを受けたことがあるのか、その際にポリープが見つかったのか、便潜血検査が陽性になったことがあるのか、血便や便通の変化があるのか、といった情報も合わせて判断します。

大阪市平野区の東森医院では、大腸がんや大腸ポリープの家族歴を確認し、一人ひとりのリスクに応じて大腸カメラについてご相談いただけます。

当院では、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医である院長が大腸カメラを担当しています。ご希望や状態に応じて鎮静剤を使用した検査にも対応しており、検査中に切除可能な大腸ポリープが見つかった場合には、日帰り大腸ポリープ切除にも対応しています。

大腸カメラには、大腸がんを早期に発見するだけではなく、大腸がんになる前のポリープを見つけ、適切に切除することで大腸がんの予防につなげるという大切な役割があります。

「父親が大腸がんだったけれど、自分は何歳から大腸カメラを受ければいい?」「兄弟に大腸がんがいる」「母親に大きな大腸ポリープが見つかった」「大腸がんの家族歴があるけれど便潜血検査だけでいい?」といった疑問がある方は、お気軽にご相談ください。

家族歴は、怖がるためだけの情報ではありません。

ご自身の大腸がんを早期に発見し、さらには予防につなげるために活かすことのできる大切な情報です。

参考文献

国立がん研究センター がん対策研究所.有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン 2024年度版.

斎藤 豊,岡 志郎,河村卓二,他.大腸内視鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン.Gastroenterol Endosc. 2020;62:1519-1560.

Shaukat A, Kahi CJ, Burke CA, et al. ACG Clinical Guidelines: Colorectal Cancer Screening 2021. Am J Gastroenterol. 2021;116:458-479.

Gao K, Jin H, Yang Y, et al. Family History of Colorectal Cancer and the Risk of Colorectal Neoplasia: A Systematic Review and Meta-Analysis. Am J Gastroenterol. 2025;120:531-539.

Ng SC, Lau JYW, Chan FKL, et al. Risk of Advanced Adenomas in Siblings of Individuals With Advanced Adenomas: A Cross-Sectional Study. Gastroenterology. 2016;150:608-616.

Ng SC, Lau JYW, Chan FKL, et al. Increased Risk of Advanced Neoplasms Among Asymptomatic Siblings of Patients With Colorectal Cancer. Gastroenterology. 2013;144:544-550.

大腸癌研究会.遺伝性大腸癌診療ガイドライン 2024年版.金原出版.

記事監修

監修者プロフィール

院長 東森 啓(ひがしもり あきら)

資格・所属学会

医学博士
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本カプセル内視鏡学会 認定医
日本消化管学会 専門医
日本医師会認定産業医
難病指定医

略歴・主な職歴

2008年 山口大学医学部 卒業
2016年 大阪市立大学大学院 医学研究科 博士課程修了

大阪公立大学 医学部 病院講師
香港中文大学 Prince of Wales Hospital 客員研究員
なにわ生野病院 副部長

ガイドライン作成・システマティックレビュー

H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024年改訂版 システマティックレビュー担当
薬剤性消化管障害ガイドライン 作成委員
消化性潰瘍診療ガイドライン システマティックレビュー担当

この度、東森医院の4代目として、大阪市平野区にて診療を行っております。大学病院・地域中核病院・海外の医療現場で培った幅広い内科・消化器診療、内視鏡診療、研究の経験を活かし、地域の皆さまに信頼していただける医療を提供してまいります。

TOP