2026年6月23日

前処置が不十分になりやすい方とは?
大腸カメラでは、腸の中をしっかりきれいにすることが、正確な検査につながります。
腸の中に便が残っていると、小さなポリープや平坦な病変、早期がんを見つけにくくなるため、前処置はとても大切です。
一方で、便秘のある方は、腸管洗浄薬を飲んでも便が残りやすく、前処置が不十分になりやすいことが知られています。
また、高齢の方、糖尿病のある方、脳梗塞の既往がある方なども、腸の動きが弱くなりやすく、前処置に工夫が必要になることがあります。

腸管洗浄薬の量を減らす工夫もあります
以前は、2〜4Lほどの腸管洗浄薬を飲む方法が一般的でした。
しかし最近では、前日に補助薬を組み合わせることで、腸管洗浄薬の量を減らしながら、しっかり腸をきれいにする方法も広がっています。
当院では、患者さんの負担を少しでも減らすため、便通の状態、年齢、持病、これまでの前処置の経験などを確認し、一人ひとりに合った前処置方法をご提案しています。
院長は大学病院勤務時に、大規模臨床試験を主導し、新規便秘薬であるリナクロチドを併用することで、洗浄力と安全性を保ちながら負担を減らせることを確認しました。患者さんの体質や既往歴に応じて、最適な方法をご提案します。

便秘や糖尿病などがある方へ〜あなたに合った前処置を
便秘は前処置不良の大きなリスク因子です。その他にも、高齢の方や糖尿病・脳梗塞の既往がある方も前処置が不十分になりやすいと言われています。
当院では:
リナクロチド併用法を活用(腹痛が少なく安全性が高い)
数日前から便秘薬を内服いただく
事前カウンセリングで体質や好みにあった前処置薬の提案 など
様々な方法でなるべく楽で効果的な前処置を受けていただけるように心掛けています。
「便秘だから心配」という方も、安心してご相談ください。

参考文献
1.排便習慣は前処置不良を予測する重要な因子である:前向き観察研究
PMID: 37713038 院長 筆頭著者
2.1L PEG-Asc+センナと2L PEG-Ascを比較した大腸内視鏡前処置の有効性・忍容性に関するランダム化試験
PMID: 36567637 院長 責任著者
3.慢性便秘患者における1L PEG-Asc+リナクロチドによる大腸内視鏡前処置
PMID: 39219191 院長 責任著者
4.1L PEG-Asc+リナクロチドと1L PEG-Asc+センナを比較した多施設共同ランダム化比較試験(APPLE trial) 院長 責任著者 PMID: 39996602
5.大腸内視鏡検査の前処置に関する欧州消化器内視鏡学会ガイドライン 2019年改訂版
PMID: 31295746
6.大腸内視鏡検査における腸管洗浄の質を最適化するための米国Multi-Society Task Force推奨
PMID: 25239068
7.Boston Bowel Preparation Scale(BBPS)の妥当性と信頼性を示した研究
PMID: 19136102
8.大腸内視鏡前処置の質が大腸腫瘍の検出に与える影響
PMID: 12838225
9.大腸内視鏡検査における前処置不良の予測因子:系統的レビュー・メタ解析
PMID: 29847488
10. 1L PEG+リナクロチドによる超低容量前処置と2L PEGを比較したランダム化比較試験
PMID: 36572127
記事監修
監修者プロフィール
院長 東森 啓(ひがしもり あきら)
資格・所属学会
医学博士
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本カプセル内視鏡学会 認定医
日本消化管学会 専門医
日本医師会認定産業医
難病指定医
略歴・主な職歴
2008年 山口大学医学部 卒業
2016年 大阪市立大学大学院 医学研究科 博士課程修了
大阪公立大学 医学部 病院講師
香港中文大学 Prince of Wales Hospital 客員研究員
なにわ生野病院 副部長
ガイドライン作成・システマティックレビュー
H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024年改訂版 システマティックレビュー担当
薬剤性消化管障害ガイドライン 作成委員
消化性潰瘍診療ガイドライン システマティックレビュー担当
この度、東森医院の4代目として、大阪市平野区にて診療を行っております。大学病院・地域中核病院・海外の医療現場で培った幅広い内科・消化器診療、内視鏡診療、研究の経験を活かし、地域の皆さまに信頼していただける医療を提供してまいります。
当院では、最新の内視鏡システムと鎮静を用いた「苦痛の少ない胃カメラ・大腸カメラ」に力を入れております。また、日帰り大腸ポリープ切除術にも対応し、検査から治療まで一貫した内視鏡診療を提供しています。生活習慣病や一般内科診療にも対応し、病気の早期発見と予防医療を通じて、地域の皆さまの健康を支える“かかりつけ医”を目指してまいります。