「げっぷが多くてつらい」「食後に胸が焼けるように熱い」「酸っぱいものが喉までこみ上げてくる」こうした症状が続くと、食事や睡眠にも影響し、生活の質が大きく低下してしまいます。
一時的な「食べ過ぎ」や「疲れ」のこともありますが、症状が続く場合、消化器系の病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
げっぷ・胸やけが多い
げっぷ・胸やけが多い

「げっぷが多くてつらい」「食後に胸が焼けるように熱い」「酸っぱいものが喉までこみ上げてくる」こうした症状が続くと、食事や睡眠にも影響し、生活の質が大きく低下してしまいます。
一時的な「食べ過ぎ」や「疲れ」のこともありますが、症状が続く場合、消化器系の病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
げっぷは本来、胃の中にたまった空気を外に逃がすための生理現象です。しかし、回数があまりにも多かったり、止まらなくてつらい場合には「げっぷ障害」と呼ばれる状態になっていることがあります。日本では、成人の約1.5%がげっぷ障害を抱えており、胃食道逆流症、ストレス、食べ方のくせなどが発症に関与していることが分かっています。
げっぷには、大きく「胃から」と「食道から」の2つのタイプがあります。
食事や炭酸飲料と一緒に飲み込んだ空気が胃の中にたまり、胃がふくらむ刺激によって、胃と食道の境目の筋肉が一時的にゆるみ、胃の中のガスが食道から口へ抜けていくタイプのげっぷです。誰にでも起こる、いわゆる「普通のげっぷ」で、生理的な現象です。
普通の範囲のげっぷであれば問題ありませんが、
といった場合は、「げっぷ障害」と呼ばれ、治療が必要となります。

一方、特殊なげっぷである食道げっぷは、胃の中のガスではなく、口から空気を吸い込んだり飲み込んだりして、食道の中に入った空気をすぐ吐き出すタイプのげっぷです。
横隔膜や食道の筋肉の動き、無意識の「くせ」などが関係していると考えられています。
胸やけの多くは、胃酸が食道へ逆流することで起こる症状です。胃と食道の境目には、逆流を防ぐ「下部食道括約筋(LES)」という筋肉があります。LESのしまりが弱くなったり、一時的にゆるむ「一過性LES弛緩」が増えたりすると、胃酸を含む胃内容物が食道へ逆流し、酸に弱い食道粘膜に炎症を起こします。この状態が続くと、胃食道逆流症(GERD)と呼ばれる病気になります。
げっぷ・胸やけは、次のような要因で悪化しやすくなります。
問診・診察
まずは、
などを詳しくうかがいます。その上で、必要に応じて検査を組み合わせていきます。
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
げっぷ・胸やけの精査では、胃カメラが最も重要な検査です。
を直接観察して確認します。
必要に応じて行う検査
症状や内視鏡結果に応じて、次のような専門的な検査を大学病院などで受けていただくことがあります。
24時間食道内の酸の逆流状況を測定し、「症状と逆流の関連」を評価します。
食道の動きや、下部食道括約筋の圧を測定し、運動異常がないかを確認します。
食道裂孔ヘルニアや形態異常の評価に用いることがあります。
胃酸などの胃内容物が食道へ逆流することで、胸やけ・呑酸・げっぷなどを引き起こす病気です。
内視鏡で食道粘膜のただれ(びらん)が見られるタイプ
症状はあるが、内視鏡で粘膜障害が見られないタイプ
NERDの中には、酸逆流が明らかなものに加え、「機能性胸やけ」など、食道の知覚過敏が関係している病態も含まれます。
週3回以上の過剰なげっぷが続き、生活の質に影響する状態と定義されています。「胃から」の生理的げっぷが目立つタイプと、行動パターンとしての「食道から」のげっぷが目立つタイプがあり、背景に胃食道逆流症や機能性ディスペプシア、ストレス、咀嚼習慣などが関与します。
胃カメラでは明らかな潰瘍やがんがないにもかかわらず、
などの症状が3か月以上続く病気です。胃の運動機能の低下や知覚過敏、ストレスなどが関与すると考えられています。
胃の一部が横隔膜を通って胸腔内に入り込む状態で、逆流防止機構が障害されます。高齢者や肥満、姿勢の影響も受けやすく、GERDの大きな原因の一つです。
げっぷ・胸やけの裏に、潰瘍やがんが隠れていることもあります。特に、体重減少や貧血、吐血・黒色便、嚥下障害などを伴う場合は注意が必要です。
薬だけでなく、原因となる生活習慣を見直すことがとても重要です。
症状や内視鏡の結果に応じて、次のような薬を組み合わせて使います。
胃酸分泌を強力に抑え、逆流性食道炎の治癒・症状改善に高い効果があります。
PPIよりも速く・強く・安定して胃酸を抑える新しいタイプの薬で、重症例やPPIで改善しにくい方に用いられます。
胃の動きを整え、胃内容の排出を促進することで、逆流や胃もたれの改善を図ります。
逆流してきた胃酸を中和・物理的にブロックし、症状の一時的な緩和に用います。
胃腸の機能や自律神経のバランスの改善を目的として併用することもあります。
食道げっぷでは、薬物療法だけでは十分な効果が得られないことが多く、「自分でコントロールできる症状である」と理解していただいた上での行動療法や呼吸法の指導が重要になります。
必要に応じて、心身医学的アプローチや心理的サポートを検討することもあります。
以下のような場合には、外科的・内視鏡的治療が選択肢となります。
代表的な治療としては、
胃の一部を巻き付けることで逆流防止機構を再建する手術
胃カメラを用いて噴門部のゆるみを改善する治療
などがあります。必要性については、症状・検査結果をふまえて専門医と相談して決めていきます。
げっぷや胸やけは、「よくある症状」だからこそ、つい我慢してしまいがちです。しかし、長く続く症状の裏には、治療が必要な病気が隠れていることもあります。
このようなときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。症状や生活背景を丁寧にお伺いし、胃カメラ検査を含めて、患者様一人ひとりに合った検査・治療法をご提案いたします。
TOP