胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンなどの消化液(攻撃因子)によって、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれた状態になる病気です。通常は粘液や血流などの防御因子が粘膜を守っていますが、何らかの理由でこのバランスが崩れると潰瘍が生じます。重症化すると出血や穿孔(穴が開く)を起こすことがあるため、早めの診断と適切な治療が重要です。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンなどの消化液(攻撃因子)によって、胃や十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれた状態になる病気です。通常は粘液や血流などの防御因子が粘膜を守っていますが、何らかの理由でこのバランスが崩れると潰瘍が生じます。重症化すると出血や穿孔(穴が開く)を起こすことがあるため、早めの診断と適切な治療が重要です。
代表的な原因は以下です。
胃粘膜に慢性的な炎症を起こし、潰瘍を作りやすくします。
解熱鎮痛薬などにより、粘膜を守るプロスタグランジンが低下し、潰瘍や出血の原因になります。長期内服・複数併用・高齢・抗血栓薬併用などでは特に注意が必要です。
粘膜の血流や修復を妨げ、悪化要因になります。
自律神経の乱れや粘膜防御低下を介して誘因となることがあります。
防御因子が低下し、治りにくくなる傾向があります。
NSAIDs(痛み止め)は、関節痛・腰痛・頭痛などで広く使われる薬ですが、胃や十二指腸の粘膜を守る働きを弱めるため、潰瘍や出血を起こすことがあります。市販薬にも含まれているため、気づかないうちにリスクが高まる場合があります。当院院長は薬剤性消化管傷害に関するガイドライン作成委員として、NSAIDsによる潰瘍・出血の予防と治療に多く携わってきました。ガイドラインの考え方に沿って、患者様のリスクに応じた胃薬の予防や薬の見直しをご提案します。
胃潰瘍の中には、ピロリ菌や痛み止め(NSAIDs)が原因ではない「特発性胃潰瘍」もあります。体調や年齢、胃粘膜の回復力低下などが背景にあることがあり、原因がはっきりしない場合ほど、治療後の治癒確認や再発予防が大切です。治療は胃酸をしっかり抑えることが基本で、必要に応じて胃粘膜を守るお薬を併用し、治ったことを確認しながら丁寧に対応します。
※自己判断で薬を中断すると別のリスクが生じることがあります。気になる症状がある場合は、薬の継続・変更・予防を含めてご相談ください。
もっとも多いのはみぞおちの痛みです。
食後に痛むことが多い
空腹時や夜間に痛むことが多い
ほかに、胃もたれ、吐き気、胸やけ、げっぷ、膨満感などがみられます。潰瘍が進行すると出血により、吐血、黒色便(タール便)、貧血によるふらつき・倦怠感が出ることがあります。
黒色便や吐血、冷や汗を伴う強い腹痛がある場合は、早めの受診(状況によっては救急受診)をご検討ください。
確定診断には上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が最も有効です。潰瘍の位置・大きさ・深さを直接確認でき、必要に応じて組織検査(生検)で胃がんなどとの鑑別も行います。また、原因検索としてピロリ菌検査(呼気・便・血液、内視鏡併用検査など)を組み合わせます。特発性胃潰瘍が疑われる場合も、治ったことの確認(必要に応じた再検査)が大切です。
治療は原因と重症度により決まります。
PPIやP-CABなどの胃酸分泌抑制薬を中心に治療し、必要に応じて粘膜保護薬を併用します。
内視鏡でクリップ止血などの内視鏡的止血を行い、再出血予防の治療を続けます。
除菌治療(抗菌薬+酸抑制薬)で再発を防ぎます。
可能なら中止・変更を検討し、継続が必要な場合は胃薬による予防を含めた治療を行います。
胃酸をしっかり抑える治療を基本とし、必要に応じて粘膜保護薬を併用します。再発予防の観点から、治癒確認(必要に応じた再検査)も含めて対応します。
適切な治療をしても治癒が遅い、あるいは再発を繰り返す場合、以下の確認が重要です。
当院では、原因を整理しながら再発予防まで含めて丁寧に対応します。
一時的に楽になることはありますが、出血や別の病気が隠れていることもあります。症状が続く場合は胃カメラで原因を確認するのが安心です。
潰瘍の再発予防に有効です。適応や保険範囲がありますので、検査結果に応じてご案内します。
目的(鎮痛・抗血栓など)により対応が異なります。中止できない方でも予防策がありますので、自己判断で中断せずご相談ください。
みぞおちの痛みが続く、胃もたれや吐き気が長引く、痛み止めをよく使う方は早めに受診を。黒色便・吐血・強い腹痛は急ぎの対応が必要です。
当院では、胃カメラによる診断から、ピロリ菌検査・治療、薬剤性消化管傷害への対応、難治性潰瘍や特発性胃潰瘍の評価・再発予防まで、消化器専門医が一貫して対応します。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
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