治療
01.生活習慣・食事の見直し
まず基本となるのは、毎日の生活リズムと食事を整えることです。
- 1日3回、できるだけ規則正しい食事をとる
- コーヒー・アルコール・炭酸飲料など、症状を悪化させやすい飲み物をとりすぎない
- 揚げ物・脂っこい食事など、脂肪分の多い食事を控える
- 早食い・ドカ食いを避け、よく噛んでゆっくり食べる
- ウォーキングなどの適度な運動、十分な睡眠時間を確保する
これだけでも、下痢やお腹の張りが軽くなることがあります。
診察では、普段の食事内容や生活パターンをうかがいながら、無理なく続けられる改善ポイントを一緒に探していきます。
02.低FODMAP食(Low-FODMAP Diet)
近年、IBSの症状改善に効果が期待されている食事療法が低FODMAP食です。小腸で吸収されにくく、腸内でガスが発生しやすい糖質(FODMAP)を一時的に減らすことで、
といった症状が軽くなる場合があります。
ただし、やみくもに食事制限をすると、かえって栄養バランスが崩れるリスクもあります。
当院では、
- どの食品をどの程度控えたらよいか
- どのタイミングで元の食事に戻していくか
といった点を、専門医がわかりやすく説明しながら、安全な範囲での実践をサポートします。
03.薬物療法
症状のタイプ(下痢型・便秘型・混合型など)に応じて、お薬を選んでいきます。
薬物治療の主な例
腹痛・けいれんが強い方
腸の過敏な動きを抑える抗コリン薬、消化管運動を整える薬など
下痢が中心の方
下痢止め(ロペラミドなど)、腸の動きを調整する薬など
便秘が中心の方
便をやわらかくする浸透圧性下剤、腸の動きを改善する薬、さらに必要に応じてグーフィス、リンゼスなどの便秘改善薬を使用します。
ガスやお腹の張りがつらい方
消泡薬や漢方薬(桂枝加芍薬湯など)が効果的なこともあります。
不安や緊張で症状が悪化する方
少量の抗不安薬・抗うつ薬を併用することで、腸の過敏さが和らぐ場合があります。
いずれも、効果と副作用のバランスを確認しながら、少ない量から慎重に調整していきます。
「市販薬で何とかしよう」と自己判断で薬を続けると、症状が長引いたり、かえって悪化することもあるため、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。
04.腸内細菌へのアプローチ
近年、IBSと腸内細菌叢(腸内フローラ)の乱れとの関係が注目されています。
当院では、自費診療にはなりますが、腸内細菌叢検査を行い、検査結果に基づいて
- あなたの腸内環境に合ったプロバイオティクス(善玉菌のサプリメント)
- プレバイオティクス(善玉菌のエサになる食物繊維など)のとり方
- 生活習慣・食事の具体的な見直しポイント
といった「オーダーメイドの腸活プラン」をご提案することが可能です。「自分の腸の状態を客観的に知って、体質に合った対策をしたい」という方に向いた選択肢です。
05.心理・ストレスケア
IBSは、腸だけでなく“脳と腸のつながり(脳腸相関)”が深く関わる病気です。そのため、ストレスや不安を上手にコントロールすることも治療の大切な柱になります。
- 深呼吸・ストレッチなどのリラクゼーション法
- 睡眠リズムを整える、スマホ・PCの使い方を見直すなどの睡眠改善
- 物事のとらえ方・考え方のクセを見直す認知行動療法(カウンセリングや専門機関のご紹介を含む)などが有効な場合があります。
当院では、診察の中でストレスの状況も丁寧におうかがいし、必要に応じて
を行いながら、心と腸の両面からIBS治療をサポートしていきます。